自己破産と財産隠しの問題

自己破産すると原則として財産を残すことができません。

しかし、これは例えば自宅に人が押しかけてきて財産を強制的に取り上げるということではありません。

基本的には保有している財産に何があるのかを自己申告し、その中から破産管財人が処分する必要があるものについて財産を引き渡すという形で行われます。

つまり、どのような財産を保有しているのかは自己申告による確認が原則ということになるので、“言わなければバレないのではないか”と考える人もいるようです。

しかし、自己破産の申立てでは源泉徴収票や確定申告書等の収入に関する書類、銀行通帳なども提出する必要があります。

たとえば銀行通帳の取引履歴の中に内容のよくわからないものがあれば説明を求められますし、収入に対応する支出が通帳からわからなければやはり説明を求められます。

財産隠しをしようとしても、これら提出資料を精査する中で隠し財産があることは露見します。

財産隠しは免責不許可事由に該当するため、借金の返済義務がなくならないという結果になることもあり得ます。

自己破産すると決めたのであれば、弁護士に対して包み隠さずすべての情報を伝え、真摯に手続を行う姿勢が求められます。