債務整理手続の種類と概略 その1

借金がかさんでしまい,もう家計が回らない…といったときに

弁護士へ相談してとり得る手続は,一般的に3つあるとされます。

1つは任意整理手続と呼ばれるもので,2つ目は民事再生手続,3つ目が破産手続です。

 

今回は任意整理手続とは何かについて少し書かせていただきます。

任意整理手続とは,その名のとおり各債権者と任意の交渉を行い,支払継続が可能な計画を立て,

以後それに従って返済を行っていくというものです。

 

任意整理手続のメリットとして挙げられるのは,あくまで「任意」の手続なので自由度が高く,

それぞれの債権者に対しどのような条件を提示して交渉するかも自由に決められるということがあります。

そもそも,一部の債権者は手続の対象に含まないなども可能です。

 

他方デメリットとして挙げられるのは,他の2つの手続と違い裁判所をとおすものではないので

強制力がないということがあります。

あくまで個々の債権者との「任意」の交渉なので,こちらの提案に債権者が同意するかどうかは債権者次第であり

返済計画がうまく成立しないということはあり得ます。

また,任意整理は原則として返済額を減らすものではないので,

ご収入(月々の返済可能額)や総債務額の関係で,任意整理手続をとることが難しい(返済計画が成り立たない)ということもあります。

 

民事再生,破産といった手続はどうしても抵抗があるという人も多く,

債務整理手続の中でまず最初に検討するのが任意整理ということが多いかと思います。

 

次回は民事再生について記載させていただく予定です。