コロナによる裁判所への影響

新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから早1年以上が経過しましたが、弁護士の業務にも多々影響が生じました。

とはいえ、法律相談を行ったり、ご契約をいただいたりといったことは、緊急事態宣言中も工夫をして行うことができておりましたので、

特に影響が大きかったのは裁判所の問題かもしれません。

 

あまり報道されることが多くないので、知らない方も多いかもしれませんが、最初の緊急事態宣言以降、裁判所の事件処理にも大きな変化がありました。

たとえば、東京地裁でいうと、係属している案件について、緊急性のないものについては基本的に期日が延期されました。

また、宣言期間中に訴状が提出された場合、すぐには初回期日が決まらないという状態が続き、部によっては2~3か月初回期日が決まらないということもありました。

 

加えて、本来であれば裁判所に出向くことが求められる手続について、出来る限りそれを不要とするようになりました。

たとえば、自己破産の手続を行う場合、東京地裁では申立直後にまず申立代理人の弁護士が裁判官と面談を行うことになるのですが(即日面接)、

対面方式ではなく電話面接の方式がとられるようになりました(現在でもその運用が継続しています。)。

また、破産手続が進んで最後に行われることになる免責審尋や債権者集会については、申立人本人が裁判所に出頭する必要があるのですが、

これについても原則不要という運用になりました。

 

裁判所へ出向くことをどこまで減らすべきなのかについては議論のあるところだと思いますが、

通常であればなかなか運用を変えることがない裁判所ですので、

コロナをきっかけにというのもなんですが、より使いやすい機関になってほしいと思います。