破産管財事件について

自己破産を考えたことがあれば、おそらく「同時廃止」と「管財事件」という言葉について早い段階で目にすることになると思います。

比較的簡明な事案については同時廃止手続で進み、複雑な事案については管財事件になるということや、管財事件となったときには別途予納金がかかるため同時廃止になった方が有利といったことが書かれていることが多いと思います。

おそらくそうした説明を事前に調べているために、「同時廃止で手続きが進むようにしてほしい」という希望を述べられる方もいらっしゃいます。

ただ、勘違いしてはいけないのは、決して同時廃止が善で管財事件が悪というようなものではないということです。

本来は破産管財手続が破産手続の基本的な形であり、例外的に簡略な事案について同時廃止という手続が存在しているといったものなので、破産管財手続になったからといって免責が認められない可能性が高まることにはなりません。

東京地裁では全体の60~70%が管財手続で進められるため、ある意味原則と例外の位置づけについて本来の形が維持されているともいえるのですが、その他の地域の多くにおいて原則と例外の割合が逆転している状態にあります。

それもあり、管財手続に対する拒絶反応のようなものが醸成されてしまっているのかもしれません。

もちろん、管財手続の方が費用面で有利なのはその通りですが、必要以上に畏怖するようなものではないのでご安心ください。