破産や再生の手続が都道府県によって違う?

裁判所によって,事実上運用が異なるケースがあるということは以前にも書かせていただいたことがあるかもしれません。

例えば,東京では事件数が多いためか,それを処理していくために,地方よりもスピーディーに展開を進めようとするイメージがあります。

そして,裁判手続の中でも自己破産や個人再生の手続は,特に各都道府県の特徴が色濃く出ているように思います。

 

余談ですが,裁判官は数年おきに全国転勤することになりますので,東京の裁判官がずっと東京にいるわけではないですし,

地方の県の裁判官がずっとその県で勤務しているわけでもありません。

ですので,感覚的にはどちらかというと各地方ごとの特徴は芽生えづらく,全国一律の運用になっていきそうだと思うのですが,

どういうわけか各都道府県ごとにかなり運用が異なっています。

 

まず,自己破産であっても個人再生であっても,裁判所に申立書を提出するわけですが,

その申立書自体が各地の裁判所が用意した書式を使うことになるので,内容が少しずつ異なっています。

そして,東京の運用で特徴的なのは,自己破産の場合に即日面談という代理人が裁判官と個別に話をする機会があり,

また,個人再生の場合には全件で再生委員が選任されるという点です。

いずれにしても,他の道府県よりも弁護士が行う手続が増える場合が多いといえます。

 

地域によっては,ケース次第ですが,申立書類を裁判所に提出し,特に内容に問題がなければ

裁判所に行くこともなく手続が終了することもあるということを思えば,これはかなりの違いがあると思います。