共同不法行為

交通事故の被害にあわれた方が,数か月後にまた事故に遭遇してしまう…というような事態が意外と存在します。

私も弁護士となってから大変驚いたのですが,おそらく,皆様がイメージしているよりもはるかにこういったケースは多いのではないかと思います。

被害者の方は,まさに踏んだり蹴ったりということで非常に辛いと思います。

怪我の治りが遅れるといった問題もさることながら,実は賠償の観点からも複数の事故が立て続けに起きると,非常に複雑な問題が生じることがあります。

共同不法行為と呼ばれるのですが,立て続けに事故が起きて,怪我を負った場合,それぞれの加害者の行為が合わさって,現在の被害者の怪我を生じさせていると考えられます。

すると,それぞれの加害者が全体のうちどれだけの部分を賠償しなければならないのかといった問題が生じ,時として両加害者の保険会社同士で話がまとまらず,被害者に対する賠償が置いてけぼりというような事態も生じます。

このような状態となってしまい,ご自身で解決するのが難しそうだということで弁護士に相談に来る方も多いです。

すでに交通事故の問題でご依頼していただいている方が再度事故にあってしまった,ということもしばしばあります。

そのようなときには,上述のような問題がありますので,どのような対応をするのがベストなのか,いつも以上に慎重になって対応させていただいています。