相続財産がないかどうかの確認

自己破産や個人再生といった手続をするにあたり、自分がいまどれだけ資産を有しているかを明らかにする必要があります。

価値のある財産についてはすでに売却等しているケースも多いかと思いますが、思わぬ落とし穴となり得るのが相続財産の問題です。

その中でも、特に不動産は元の持ち主が亡くなった後きちんと権利関係を決めていないことなどもあるので、

法的に権利を有しているにもかかわらず、それを当人がはっきりと自覚していないということもあります。

例えば、親がすでに亡くなっている場合であるとか、親が亡くなった後にその親(祖父母)が亡くなった場合に、

亡くなった方の所有していた不動産にその配偶者等が現在も住み続けているような状況だと、

なんとなくその不動産は今住んでいる人の所有になったんだなという気がします。

ただ、上記のケースでは子(孫)である本人も法定相続人になるので、

きちんと手続をとっていなければ子(孫)も持分を有しているということになります。

したがって、それを認識しないままに破産の手続をとろうとすると、

この不動産を売却しなければいけないというような話にもなりかねず、思わぬところへ影響が出るということになってしまうのです。

破産や再生の手続をとるにあたっては、このような状況になることがないように、

自分が相続人となり得る続柄の方が亡くなったことがないかどうか、今一度確認しておく必要があります。

弁護士としても、本人に「相続財産はありませんか?」とだけ聞くのではなく、

その人が相続人となるような続柄の方が亡くなっていないかを確認するように心がけています。