債権者集会には債権者が来る?

東京地裁では、コロナ禍以降、特に必要がなければ債権者集会に破産者や破産者代理人の出頭を求めないという運用がとられてきました。

最近になって、通常通り出頭を求める運用に戻ってきているのですが、債権者集会とは何なのか、そこで債権者から問い詰められたりするのか、といったことが気になる方も多いようです。

債権者集会は、その名前のとおり債権者が出席することのできる手続ではあるものの、個人の方が破産する場合にわざわざ貸金業者が債権者集会に参加するということは通常ありません。

ですので、貸金業者以外から借入れがある場合や、事業資金の借入れがある場合は別として、個人の自己破産手続の場合の債権者集会は、債権者が誰も出席していないというのがむしろ普通です。
裁判官と破産管財人、破産者、破産者代理人が出席して淡々と手続が行われます。
特に問題となる点がないケースだと、簡単な確認をするだけで、ほんの数分で債権者集会が終わることも珍しくありません。

債権者に対する申し訳なさの気持ちを持たなくていいとは言いませんが、債権者集会という言葉の印象から受けるイメージと実際の手続はだいぶ異なっていると思いますので、これを過度に恐れる必要はないです。

遺言書を書いたら相続人が揉めることになる?

遺言書を書いた方がいいのか書かない方がいいのか、どちらの方が相続人は揉めないのだろうか、という観点で悩まれることがあるかもしれません。

人間関係の問題ですので、弁護士の立場からもどちらが絶対にいいということは言えないものの、基本的には遺言書を書いておいた方がスムーズに相続手続きを行えるといえるかと思います。

遺言書がない場合、相続人は遺産分割協議を行って、誰が何を相続するのかを決めていかなければなりません。

相続人間の仲が良いか悪いかというのもありますが、そもそも相続人同士であまり関わりがなくなっていたりはしないでしょうか。

険悪な関係の人と協議するのも困難ですが、疎遠な人と協議をするというのもストレスがかかるものです。

遺言書を書いた場合であっても、遺留分の問題などが生じる可能性は否定できないものの、基本的に遺言書の内容に沿って相続手続を進めていけばいいということになるので、相続人からすれば遺言書がない場合と比べてやりやすい場合が多いかと思います。

遺言書の内容で相続人が揉めるのではないか、と危惧されている方は、ぜひ遺言書がない場合に揉めずに済むのかという観点から考えていただくとよいかと思います。

生前疎遠だった人の相続人になったとき

生前は特にかかわることもなく疎遠だった親戚が亡くなり、実は自分が相続人だったというご相談を受けることがあります。

典型的なのは、おじ・おばが亡くなったケースで、そのおじ・おばに子がおらず、両親も亡くなっており、おじ・おばのきょうだいにあたる自分の親もすでに亡くなっているようなパターンです。

このような状況になっている場合、おじ・おばとの交流がすでに途絶えてしまっていることは珍しくないかと思います。

相続人になっていることが分かったとき、どのような選択肢があるでしょうか。

亡くなった方に財産がなく、むしろ借金があるようだ、ということであれば相続放棄を検討することが多いでしょう。

ところでこの相続放棄、借金を相続しないために利用するイメージが強いかもしれませんが、それ以外の場面で利用することもあります。

今回のケースのように、生前交流がなくなっていた場合だと、財産の有無や額にかかわらず相続をしたくないという方もいますし、遠方の不動産が相続財産にある場合だと扱いに困るため関わりたくないという方も少なくありません。

また、相続放棄しない場合には他の相続人(この状況ですとやはり関わりがなくなっていることも多いかと思います)とやりとりをしていく必要がありますが、それをしたくないというニーズも多いです。

こうした観点から、相続したらプラスの財産があるかもしれないという状況においても、弁護士に相続放棄の依頼をする方は珍しくありません。

給与所得者再生について

個人が民事再生手続を行う場合、小規模個人再生と給与所得者再生の2種類がありますが、ほとんどのケースで小規模個人再生が利用されています。

その理由はいくつか考えられるものの、最大の理由は可処分所得の2年分が最低弁済額の基準になるという点でしょう。

小規模個人再生だと、総債務額を基準に計算される金額、清算価値のどちらか高い方の金額を返済すればよいということになりますが、給与所得者再生だとこれに加えて可処分所得の2年分という基準があります。

可処分所得はその人の収入、家族構成等により自動的に計算されることになりますが、特に1人暮らしだったり共働きで子供がいなかったりすると比較的高額になりやすく、その場合に給与所得者再生をしても借金が減らないという結果になることもあり、これが給与所得者再生を避ける理由になっています。

しかし、逆に言えば、扶養家族が多い方だと可処分所得が低額になることも少なくありません。

この場合には給与所得者再生を利用しても、小規模個人再生と同額を返済すればよいということになります(可処分所得が少ないのに返済していけるのか、という問題は生じますが。)。

給与所得者再生は、小規模個人再生と異なり各債権者の再生計画への賛否にかかわらず成立させることができる点で強力な手続です。

こうしたメリットがあることを考えると、もう少し給与所得者再生の利用数が多くてもおかしくないのにな、ということは感じます。

詳しくは弁護士法人心へご相談ください。

奨学金の借入れがある場合の債務整理

債務整理を行うにあたって、必ず確認するのが保証人の有無です。

保証人がついている借入れについて、弁護士から債務整理をする旨の連絡をすると、債権者は保証人に対して支払いを求めてきます。

保証人がすでに借金の状況を把握している場合は別として、保証人に請求が飛び火してしまうのを避けたいという要望は多いです。

そのため、保証人がついている借入れについて債務整理の対象から外すことができる任意整理という手続をとることが多くなります。

ところで、クレジットカードでの買い物や消費者金融からの借入れについて、保証人がついているということはあまりありません。

保証人がついている借入れとして最も一般的なのが奨学金ではないかと思います。

奨学金の借入れにあたっては、親族等の保証人を立てるか、機関保証の利用を求められます。

このとき、親族等の保証人を立てる方を選んだ場合は上記問題が生じます。

他方で、機関保証を選択している場合は、“債務整理の事実を身近な保証人に知られてしまう”という問題を避けることができるので、自己破産や個人再生といった手続を選ぶことへの障害がないという事実上の違いがあります。

過払金が発生する条件

テレビCMや新聞広告などで過払金という言葉を見聞きしたことがあると思いますが、

それらの広告では、どのような条件を満たしていると過払金が発生するのかについてあまり言及されておらず、

借入れを行ったり、クレジットカードを利用したことがあったりする人ならば、誰でも過払金が発生している可能性があるといった内容で宣伝がされています。

おそらく、まずは問い合わせをしてほしいということもあるでしょうし、事細かに過払金が発生する条件を広告で説明することは難しいことから、

あえて細かな条件について触れていないものと思われますが、少なくともこれを満たしている必要があるという部分を簡単に記せればと思います。

1 ショッピングの利用では過払い金は出ない

クレジットカードでも過払金が出る可能性がある、という広告が多々あるため、しばしば生じる誤解ですが、

過払金が発生する可能性がある取引は、キャッシングの利用分に限られます。

したがって、クレジットカードを利用したキャッシングであれば過払金の生じる余地がありますが、

ショッピングの利用で過払金が発生することはありません。

2 おおむね平成19年(2007年)頃までに借入れを開始している必要がある

ほとんどの会社が、おおむね平成19年頃に利息制限法の範囲内の利率に変更しているので、

平成19年中までに借入れを始めているかどうかが過払金の発生を左右するポイントとなります。

3 銀行からの借入れに過払金は発生しない

銀行や信用金庫といったところは、古い貸付けであっても法律の範囲内の利率で貸付けを行っているため、過払金はありません。

4 時効の問題

時効の計算方法も、複雑な論点の多いところですが、少なくとも最終返済日から10年が経過していると、過払金が発生していたとしても時効が成立してしまう可能性が高いです。

その他にも多々条件はありますので、ご自身で判断がつかない場合は弁護士に相談してみるとよいでしょう。

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初めての問い合わせ

何かを始めるにあたって、まず最初に問い合わせをするということがあると思いますが、私はこれが億劫なタイプの人間で、いきなり電話を掛けたりすることにはかなり勇気が必要です。

いざ問い合わせてみると、別に何か問題があるでもなく、とんとん拍子に話が進んでいくので、「もっと早く始めていればよかったなぁ」などと思うことも多々あります。

ただ、そうとわかっていてもやっぱり勇気がいるんですよね。

考えてみると、弁護士に初めて問い合わせを行う際の緊張もそれと同じか、むしろそれ以上でしょう(もちろん、もともとそういうことに抵抗がないという方もいらっしゃると思いますが。)。

自分と同じように、初めての問い合わせを行うのが得意ではない方からしたら、これほど億劫な問い合わせもないのだろうなと思うと、最初の問い合わせ方法として、電話だけでなくメールや問い合わせフォームなどのより敷居の低い手段があることの意義は大きいのだろうなと感じます(自分だったらおそらく電話問い合わせの勇気が出ず、メール問い合わせ等を選んでいると思います。)。

問い合わせを受ける側からすると、こうしたことはあまり意識しなくなってしまいがちではありますが、自分が何かしら初めての問い合わせを行ってみると、改めてこんなことを思い起こしました。

家族に秘密で個人再生や自己破産は可能?

家族に知られることなく債務整理を行えるか、という質問は非常に多く、

また、ネット上にある情報でもこの点に関心が高いということがうかがわれます。

債務整理手続の中でも任意整理については、秘密で行うことができるという答えでほぼ固まっていると思いますが、

個人再生や自己破産については、どちらの見解も存在するように思えます。

個人再生や自己破産の場合に回答が難しいのは、まず裁判所によって必要な書類が微妙に異なることが原因としてあります。

例えば、裁判所への申立ての際に、申し立てる本人の収入や財産状況について資料を提出するのはもちろんなのですが、配偶者についてどの程度資料を求めるかは裁判所によって異なるのです。

比較的多くの資料を求める裁判所の場合だと、配偶者に秘密で進めることは事実上難しくなってきますし、逆の場合は秘密で進めることも可能な場合があります。

東京地裁の場合、申立て時点で求められる資料はそこまで細かくないため、実際にご家族に秘密で手続を進められたケースもあります。

もっとも、結果的に秘密で進められることはあるかもしれないですが、申立後に追加で配偶者に関する資料を提出するよう求められることもありますし、今後の生活の再建ということを考えるとそもそもご家族の協力があった方がいいのではないかという考え方もあります。

そのため、家族に秘密で個人再生や自己破産をすることもできるかもしれないですが、秘密で進めることを条件として弁護士に依頼することは難しいのではないかという感覚があります。

「事件」という言葉について

弁護士が依頼を受けるにあたっては、依頼の内容を明らかにする必要があります。

例えば、被った損害について誰かに賠償を求めるのであれば、それは損害賠償請求の依頼ということになり、弁護士の側では「損害賠償請求事件」として分類することになるでしょう。

この「事件」という言葉について、しばしば抵抗を覚える方がいらっしゃるようです。
おそらく「事件」というと、テレビや新聞で報道されるような重大な刑事事件・トラブルを想起してしまうのだと思います。

しかし、「事件」という言葉にそれほどの意味はなく、「事案」や「案件」といった程度の意味しかありません。
離婚の依頼であれば離婚事件ですし、相続の依頼であれば相続事件といった形で表現しているにすぎません。

契約書等に「事件」という記載があると、「先生、私のケースは『事件』になってしまうんですか!?」といった質問を受けることもあり、その都度上述のような説明を行うのですが、それでもやはり「事件」を気にされる方もいるのは事実です。

専門家の使う用語と日常の用語のニュアンスに違いがあるというのは、必ずしも法曹の世界だけに限られないことだと思いますが、今一度一般的な感覚とのずれを意識して、普段から丁寧な説明を心がけたいなと感じます。

今年もあと2か月と少し

歳を重ねるにつれて、本当に月日が経つ早さがものすごいなと感じてしまいます。

このスピードで時間が過ぎたらあっという間に体力も衰えてしまいそうなので、

体がなまらないようにする努力だけは頑張っています。

とはいえ、週2、週3で運動するというところまではなかなかできないので難しいところです。

緊急事態宣言について

今月末でようやく緊急事態宣言が解除される見込みのようですね。

今のところ今年のほとんどが宣言下での日々だったとか。

早く元のようにみんなでワイワイしたり、海外旅行に自由に行けるようになるといいですね。

この数年会えていない人たちの近況を聞くだけでも、かなり(楽しい)時間を使うことになりそうな気がします。

弁護士のイメージ

弁護士が身近にいるという人はまだまだ稀であり、

初めて弁護士事務所に相談に行く人がイメージする事務所の様子、弁護士の風貌・いでたちなどは、人によってかなり異なるようです。

 

私は自分の見た目が弁護士らしいとは全く思っていないのですが(自分でいうのもあれですが、一般的な「弁護士」のイメージと比べてまだまだ見た目が和解と思っています。)、

しばしば「いかにも弁護士らしい感じ」と言われることがあります。

 

「弁護士らしい見た目」は必ずしもプラスでもマイナスでもないと思うので、

そうおっしゃっていただいた方に特にお世辞の意味合いはなく、率直にそう思われたのではないかと考えているのですが、

たぶん私の「弁護士」イメージとだいぶ異なるんだろうなと感じます。

 

このイメージ形成には漫画やドラマの影響もあるのでしょうか。

たしかに昔と比べると、最近は若い俳優(実年齢だけでなく、見た目が渋い方向でなく若い方向性の方)が弁護士役をしていることが多いかもしれません。

 

ただ、実際のところ、昔と比べて司法制度改革により法曹の数が増えていますので、若い弁護士の数も増えており、このイメージは当たっているのかもしれません。

特に東京では(全体の数自体が大きいとはいえ)比較的若い弁護士の数が多いため、

今後ますます弁護士のイメージが若返っていくのかもしれないと感じます。

相続財産がないかどうかの確認

自己破産や個人再生といった手続をするにあたり、自分がいまどれだけ資産を有しているかを明らかにする必要があります。

価値のある財産についてはすでに売却等しているケースも多いかと思いますが、思わぬ落とし穴となり得るのが相続財産の問題です。

その中でも、特に不動産は元の持ち主が亡くなった後きちんと権利関係を決めていないことなどもあるので、

法的に権利を有しているにもかかわらず、それを当人がはっきりと自覚していないということもあります。

例えば、親がすでに亡くなっている場合であるとか、親が亡くなった後にその親(祖父母)が亡くなった場合に、

亡くなった方の所有していた不動産にその配偶者等が現在も住み続けているような状況だと、

なんとなくその不動産は今住んでいる人の所有になったんだなという気がします。

ただ、上記のケースでは子(孫)である本人も法定相続人になるので、

きちんと手続をとっていなければ子(孫)も持分を有しているということになります。

したがって、それを認識しないままに破産の手続をとろうとすると、

この不動産を売却しなければいけないというような話にもなりかねず、思わぬところへ影響が出るということになってしまうのです。

破産や再生の手続をとるにあたっては、このような状況になることがないように、

自分が相続人となり得る続柄の方が亡くなったことがないかどうか、今一度確認しておく必要があります。

弁護士としても、本人に「相続財産はありませんか?」とだけ聞くのではなく、

その人が相続人となるような続柄の方が亡くなっていないかを確認するように心がけています。

自由財産として認められる現金

自己破産についてネットで調べると、「自由財産」という言葉が目に入ると思います。

自由財産は、破産手続を行った後でも破産者の手元に残しておくことができる

つまり破産手続の中で処分されずに、その後の生活に利用することができる財産になります。

 

なぜ自由財産が認められるかというと、簡潔に言ってしまえば

破産したからといってもちろんその後の生活がなくなるわけではなく、

生活をしていくため、立て直していくために一定のお金がかかりますので、

一定の範囲で破産者の手元に残すことを認めているわけです。

 

自由財産というワードとともに書かれることが多いのが、「99万円までの現金は自由財産になる」というものです。

99万円という数字の根拠についてはここでは詳述しませんが、基本的に99万円までの現金であれば手元に残すことができるということになります。

ただ、ここでいう「現金」には注意が必要です。

 

日常生活の中で、現金と銀行等への預金を区別することはあまりないかと思います。

どちらも使おうと思えばすぐに使うことができるお金という意味では同じという認識が根底にあるからでしょう。

しかし、東京地裁における運用では、99万円までの現金とは文字通り「現金」である必要があります。

預金に99万円預け入れた状態で破産の申立てを行った場合、それは現金が99万円あることにはならないのです。

 

手元に現金として99万円を保持している人は普通いないと思いますので、

このような運用は実社会の常識とは離れているようにも感じられますが(東京以外の裁判所で、預金も現金と同等に評価する運用がされている裁判所もあります。)、

現時点での運用は上記のとおりなので注意が必要です。

 

住宅の価値

賃貸がいいのか持ち家がいいのか、というテーマは昔から語られているところですが、

いまだに明確な答えはなく、最終的には個人の考え方次第という玉虫色の締め方になることが多いように思います。

 

もっとも、この問題についてはどこに住むことを前提にするかという点も重要なのかなと感じます。

例えば、弁護士の行う債務整理手続の1つに個人再生という手続があるのですが、これを行うかどうかの判断にあたり、

住宅価値を査定することがあります。

基本的に地方で住宅を購入する場合、基本的には購入時を頂点として、住宅価値は時間の経過とともに右肩下がりとなるのですが、

東京あるいは首都圏に含まれる地域では、住宅価値があまり下がらず、場合によっては購入時よりも価値が増しているということがあります。

 

実は個人再生を行う場合は、住宅価値が下がっている方が都合がよかったりもするのですが、

それはさておき、東京で住宅を購入する場合、購入価格は高いかもしれませんが、

住宅価値が落ちないのであれば、支払ったお金が住宅という資産に形を変えているだけで、

その人の財産は減っていないということができそうです。

賃貸の場合、支払った賃料の分、その人の財産が減るということになるので、

両者を比較するときはその点を吟味する必要があるだろうなと感じます(もちろん、住宅を購入する場合、各種税金や維持費がかかりますし、住宅価値が高いほどこれらも高額になる傾向にあるので、やっぱり比較は難しいということになるのですが。)。

コロナによる裁判所への影響

新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから早1年以上が経過しましたが、弁護士の業務にも多々影響が生じました。

とはいえ、法律相談を行ったり、ご契約をいただいたりといったことは、緊急事態宣言中も工夫をして行うことができておりましたので、

特に影響が大きかったのは裁判所の問題かもしれません。

 

あまり報道されることが多くないので、知らない方も多いかもしれませんが、最初の緊急事態宣言以降、裁判所の事件処理にも大きな変化がありました。

たとえば、東京地裁でいうと、係属している案件について、緊急性のないものについては基本的に期日が延期されました。

また、宣言期間中に訴状が提出された場合、すぐには初回期日が決まらないという状態が続き、部によっては2~3か月初回期日が決まらないということもありました。

 

加えて、本来であれば裁判所に出向くことが求められる手続について、出来る限りそれを不要とするようになりました。

たとえば、自己破産の手続を行う場合、東京地裁では申立直後にまず申立代理人の弁護士が裁判官と面談を行うことになるのですが(即日面接)、

対面方式ではなく電話面接の方式がとられるようになりました(現在でもその運用が継続しています。)。

また、破産手続が進んで最後に行われることになる免責審尋や債権者集会については、申立人本人が裁判所に出頭する必要があるのですが、

これについても原則不要という運用になりました。

 

裁判所へ出向くことをどこまで減らすべきなのかについては議論のあるところだと思いますが、

通常であればなかなか運用を変えることがない裁判所ですので、

コロナをきっかけにというのもなんですが、より使いやすい機関になってほしいと思います。

弁護士による方針の違い

花粉症の季節となってきましたが、幸か不幸かコロナの影響で常にマスクを着けているため

例年よりも自然と予防ができていて、症状が少ないのではないか…などと感じている今日この頃です。

今回は弁護士によって言うことが違うということはあるのかについてお話しします。

 

同じ問題を解決する場合でも、弁護士によって方針はまちまちだということはあり得ます。

これは別に、その中のどれかが正解で、ほかの選択肢が間違っているということではなく、

弁護士の考え方などによって勧めてくる内容が変わってくるのです。

 

法律相談をしていると、しばしば「どこの弁護士さんに相談しても同じことを言われますよね?」という質問を受けるのですが、

上述のような次第なので、けっこう変わってくるのではないかと思います。

特に債務整理のご相談などは、とり得る選択肢が複数あるという状況が起きやすいため、

おすすめの方針が事務所によって変わるということが少なくないです。

 

東京のような大都市だと弁護士の数も多いですし、また、今は電話での相談に応じている事務所も多いので

複数の事務所に話を聞いてみるといいでしょう。

特に、最初に話した弁護士とのやり取りの中で、ご自身の考えと合致しない点があったりした場合はなおさらです。

いくつかの事務所の話を聞いてみたうえで、方向性が同じである弁護士にいらすることで

以後の快適さも全く変わってくるかと思います。

自転車保険

趣味というほどではないですが,私は時間のある日に,時折サイクリングに行くことがあります。

東京都内は近い距離に様々な建物,施設が所狭しと存在しているので,電車で行くとそれなりに時間がかかる場所でも,

案外自転車で行ける範囲内だったりすることが多い気がします。

ですので,何の気なしに自転車に乗り,ずーっと走っていると「気づいたらこんなところまで来れた!」という

自己満足が得られます。笑

ところで,弁護士になると車に乗るのが怖くなる・とても慎重になるという話があるのですが,

自転車についても同じことがいえると思います。

今では以前と比べてだいぶ周知されてきたかとは思いますが,やはり自転車保険に加入していない人はまだまだ相当数います。

しかし,普段道を歩いていても,自動車以上に接触の危険を感じるのが自転車だったりしないでしょうか。

もちろん,接触してもそこまで大きなけがにはなりづらいというのはあるかもしれませんが,

接触の可能性としては自動車と同等以上のものがあると思います。

特に,高齢の方などは自転車を素早く避けることが難しいうえに,自転車との事故でも重傷化することが少なくないので,大いに注意が必要でしょう。

万一自分や自分の子供が加害者となってしまったときに,非常に高額の賠償義務が発生するかもしれないという問題は,

自動車に乗る場合も自転車に乗る場合も同じですので,気軽に乗れるからといって,保険の有無に無頓着となるのは避けるべきです。

私も,弁護士になってからは自転車に乗るという行為にそれまで以上に重みを感じるようになっています。

管財か同時廃止か2

前回の続きで,管財事件と同時廃止手続の振り分けについて書きたいと思います。

管財事件が原則で,同時廃止手続は例外という立て付けであることを前回は書かせていただきました。

では,具体的にどういう場合に管財事件になるのかということですが,まずは管財費用を捻出できるだけの資産(20万円)があるのかどうかで区分けされます。

破産申立時点で預金通帳に20万円以上残っていたり,生命保険を解約した場合の返戻金が20万円以上あったりすると,管財事件となるわけです。

もっとも,今は多少資産があるけれども,これから依頼する弁護士に費用を払うことを考えると,そんなに資産は残っていないというようなこともあるかと思います。

ですので,このあたりの正確な計算は弁護士に相談して確認することが必須です。

次に,資産の問題をクリアしたとして,出てくる問題は免責不許可となる可能性の有無です。

破産して免責許可を受けるためには(借金が0となるためには),免責不許可事由に該当しないことが求められます。

免責不許可事由はいくつかありますが,代表的なものは,借金の理由がギャンブルや投資,浪費というケースです。

これに該当するおそれがあると,免責許可をしていいかどうかの検討が必要となるため,管財事件となる可能性が高いです。

さらに,自己申告ではこれらの基準をクリアしていたとしても,

本当に他に資産がないのか調査が必要とされたり,借金の額が多額なため,借入経緯に問題がなかったか調査をする必要が出たりなどの理由で

同時廃止手続ではなく管財事件となることもあります。

このあたりについては,申立代理人である弁護士が事前に依頼者の財産状況等を綿密に調査することで,

追加調査の必要はないという方向に(同時廃止手続で大丈夫だという方向に)働きかけることもできる部分です。

もっとも,最終的には裁判官がどう判断するか,ということなので,同時廃止手続が見込まれるケースでも,

“絶対に同時廃止になる”というような認識ではいない方がいいでしょう。

管財か同時廃止か1

自己破産の申立を行うと,管財事件になるか同時廃止手続になるかの振り分けがなされることになります。

簡単に言ってしまえば,管財事件は少し複雑な手続であり,同時廃止手続は比較的簡単な手続ということになります。

管財事件になると,裁判所から破産管財人の弁護士が選任されるのですが,破産管財人も無償でそのお仕事をするわけではありません。

では,だれがその報酬を支払うのかというと,破産管財人の報酬は破産を申し立てた人が負担しなければなりません。

ですので,同時廃止手続と比べて,管財事件となると少なくとも20万円以上多く費用がかかってくることになるのです。

「できるだけ手続にかかる費用を下げたい」というのは誰もが考えることですから,管財事件になるか同時廃止になるかという点は弁護士がよく質問を受ける部分です。

ただ,まず気を付けねばならない点は,破産制度の原則は管財事件であり,例外的に同時廃止という手続があるのだということです。

つまり,本来はすべてのケースで破産管財人をつけて手続を進めなければならないのだけれども,

破産管財人の報酬を払うことも難しく,免責していいかどうか(借金を0にして良いかどうか)という点で特に追加の調査をする必要もない等

例外的な場合に限って,簡潔な手続である同時廃止手続が選択される可能性があるということになります。

「管財事件なんてとんでもない大ごと」と考えている方もしばしばいらっしゃいますが,そうではないということを覚えておいていただければと思います。