以前このブログでも書いたことがあったかもしれませんが,
交通事故の示談を直接保険会社の担当者と話していてもうまくまとまらない場合,
次の選択肢が裁判しかない,というわけではありません。
ADRと呼ばれる裁判外紛争解決手続があります。
比較的知られているのは交通事故紛争処理センターの方でしょうか。
こちらは全国11か所にあり,間に立つ仲介役の弁護士が中立・公平の立場から和解がまとまるように導いてくれます。
これとは別に,交通事故の裁判外紛争解決手続を行う機関として,日弁連交通事故相談センターがあります。
こちらは全国に159箇所あり,やはり弁護士が間に立って同じように和解がまとまるように話を進めてくれます。
この2つがどう違うのかというと,まず,審査結果が拘束力を発揮する対象に違いがあります。
損保会社と一部の自動車共済に対して拘束力があるのは紛争処理センター,
特定の自動車共済に対して拘束力があるのは日弁連交通事故相談センターとなります。
ですので,基本的には相手の保険会社に対して拘束力があるのはどちらなのか,がまず大事です。
ただ,例えば損保会社を相手として日弁連交通事故相談センターが使えないというわけではないので,
どちらを使った方がいいかはきちんと考えた方がいいかもしれません。
間に立つ弁護士の進め方にもよりますが,一般的に日弁連交通事故相談センターの方が申立てから終了までが早い傾向があると思います。
ですので,特に争点がなく,(多額ではない)金額の争いであれば,日弁連交通事故相談センターを利用するのも手かもしれません。