以前もこのブログで触れたことがありますが、東京地裁で破産の申立てを行った場合、他の地域で申し立てた場合と比較して、管財事件となる可能性が非常に高いです。
そして、現在も年々管財事件となる割合は増加しており、2021年に70%を突破した時にも驚いたのですが、2024年は75%近くまで増えています。
他の裁判所はおおむね50%前後となっているので、誤差の範疇に収まる数字ではなく、明確に東京地裁の管財事件の割合は高いといえるでしょう。
東京地裁のもう1つの特色として、即日面接の制度があります。
他の裁判所の多くは、申立後に不足書類や不明点があった場合、裁判所から不足書類の追完や内容不明瞭な部分の補足説明を求める文書が届きます(補正)。
東京地裁ではこの補正の制度がなく、代わりに即日面接の制度があります。
即日面接とは、申立後に裁判官と代理人弁護士が直接質疑応答のやり取りをする手続きです。
元々同時廃止になるハードルが高い(管財事件になりやすい)だけでなく、この即日面接で裁判官を納得させられなければ直ちに管財事件となります。
数日~数週間かけて、裁判所からの質問にじっくり時間をかけて回答できる補正と異なり、即日面接はその場で反応しなければならないため、かなり難易度が変わってきます。
また、同時廃止を希望していたものの管財事件となることが決まった場合の流れについても、東京地裁と他の裁判所では事実上異なってきます。
管財事件となった場合、引継予納金として20万円が必要となるのですが、同時廃止を前提に申し立てている場合、これをすぐに準備できないというケースも多いです。
他の裁判所では、すぐ(ないし1か月程度で)これを準備できる目途が立たないという場合、いったん申し立てを取り下げて、費用の準備ができたところで再度申し立てるという形をとることができます。
一方、東京地裁では一度申し立てた破産手続を取り下げるということが基本的に想定されておらず、引継予納金をどうにかして捻出することになります。
他では認められることの少ない予納金の分割払いができるので、それでどうにか支払っていくことになるのですが、最大4回分割(5万円×4か月)での支払いになるので、1か月あたり5万円を捻出することも難しいという場合が困ったことになります。
東京地裁における管財事件の割合を考えると、同時廃止で申し立てる場合でも管財事件となった場合のことを念頭に置かざるを得ず、毎月5万円を捻出できない方であれば、管財事件となった場合に備えたお金も準備した後で申立てに進むのが無難ということになってきます。