弁護士に債務整理のご相談にいらっしゃる方で,比較的多くのご要望があるのが,
“家族に知られないようにしたい”というものです。
一般的に,自己破産や個人再生を家族に知られずに行うのは難しいですが,任意整理は秘密のまま行えることが多いです。
これは,自己破産や個人再生の場合,家全体の家計の状況を精査しなければならない関係で,
ご家族の協力が不可欠なのに対して,任意整理だとそこまで詳細な資料を求められない等の違いがあるためです。
ただ,事実上家族に言わざるを得ない場合も少なくないです。
よくあるケースが,“財布のひもを配偶者が握っている”というものです。
今後の返済について,毎月の自分のお小遣いの範囲でどうにかしたいとおっしゃる方がいらっしゃいますが,
その範囲で払っていければ特に問題ないものの,それでは到底足りないという場合,
奥様(旦那様)に事情を伝えざるを得ないかと思います。
債権者に対して“月収は○○万円だけど,自分のお小遣いは×万円なので,月額×万円の範囲でしか払えません”
と伝えることはできませんか?という質問を受けることもございますが,
そうした家庭内の事情は原則として認められませんのでご注意ください。
特に,広く一般に知られている会社にお勤めで,収入の高い方などは,
債権者側も十分な収入があることをよくわかっているので,家族に秘密のまま任意整理を進められるのかどうか,
弁護士によく確認すべきかと思います。