破産手続で迷惑をかけないための離婚?

弁護士として借金問題の相談にのっていると、自己破産や個人再生を検討している人から「家族に迷惑をかけたくないので先に離婚しておこうと思っている」という意向を聞くことがあります。

しかし、自己破産も個人再生も申し立てたその人自身の手続きですので、そもそも家族への影響は限定的です。
また、手続前に離婚したからといって、それによって元配偶者が全くの無関係になるかというとそんなこともありません。
つまり、手続前に離婚をすることは破産や個人再生との関係であまり意味がありません。

前提として、破産や個人再生を行うことによる家族への影響に何があるのかということですが、裁判所によっては同居人の収入に関する資料の提出が求められますので、給与明細や源泉徴収票、確定申告書の準備が必要になります。
光熱費の支払いを申し立てる本人以外が行っている場合、その裏付け資料が求められることもあります(例えば同居人の銀行口座の履歴など)。

このような手続への協力は必要になってきますが、財産を没収されたり何かしらの制約を受けたりするわけではないので、その意味で家族への影響は限定的だと言えます。
また、東京地裁の場合は同居人の収入に関する資料が基本的に不要ですので、より影響は少ないです。

仮に申立前に離婚していたとしても、同居したままであれば上記手続への協力は同じように必要となります。
逆に、離婚に伴って不当な財産の移動(財産隠し)が行われていないかどうかといった視点で見られることにもなりますので、「迷惑をかけないための離婚」にはあまり意味がないでしょう。