加害者が自賠責保険にしか加入していない場合、治療はどうすれば良いのか?

「加害者が自賠責保険にしか入っていないようなのですが、治療はどうすれば良いですか?」というご相談をいただくことがあります。

 

損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2019年度版」によれば、対人賠償の加入率は、自動車保険と自動車共済を合計すると88.2%です。

約10台に1台は対人賠償に加入していないというのは、結構高い割合だと思います。

 

加害者が自賠責保険にしか加入していない場合には、①ご自身の加入する人身傷害保険を使用する、②加害者の加入する自賠責保険に被害者請求をする、という方法を取るのが一般的です。

 

①を使用するメリットは、ご自身の加入する任意保険会社が直接医療機関に治療費の支払いをしてくれることが多いため、医療機関の窓口での負担なく通院できることです。

ただし、人身傷害保険を使用すると、任意保険会社からは健康保険を使ってほしいと言われることもあり、健康保険を使用する場合には、窓口負担が出るのが通常です。

②自賠責保険に被害者請求をするメリットは、通院期間が長期となりそうな場合であっても、保険会社から治療費の支払いの打ち切りを打診されないことにあります。

人身傷害保険を使用して、任意保険会社から直接医療機関に治療費を支払ってもらう場合には、任意保険会社から治療費の支払いの打ち切りを打診されることがありますが、②の方法では、自賠責保険からそのような打診をされることは通常ありません。

 

加害者が自賠責保険にしか加入していない場合には、今後どのように進めていけばよいのか分からないことも多いかと思いますので、そのような場合には、弁護士などの専門家にご相談いただくのが良いでしょう。