保険会社から送られてきた同意書にサインする必要はあるのか?

交通事故の被害に遭い、病院に通うことになると、通常、相手方保険会社から同意書という書類が送られてきます。

この同意書にサインしても良いのかどうか、質問をいただくことがよくあります。

この同意書は、病院が相手方保険会社に被害者の診断書、診療報酬明細書などの個人情報を提供するために必要となります。

相手方保険会社が病院に治療費を支払う際には、どのような怪我により、どのような治療を受けているのか、いつ治療を受けたのか確認をします。

通常、保険会社はその確認ができなければ、必要かつ相当な治療であったのか確認が取れないため、病院に治療費を支払いません。

そのため、相手方保険会社から病院に直接治療費を支払ってもらいたいということであれば、同意書にサインするのが良いでしょう。

どうしても同意書にサインしたくないということであれば、被害者の方が直接病院の窓口で治療費を支払うことにより、通院することはできます。

もっとも、被害者の方が病院の窓口で治療費を支払った後、その費用の支払いを相手方保険会社に求めたとしても、通常、相手方保険会社は治療内容が分からず、治療の必要性・相当性を判断できないことを理由に支払いには応じてきません。

結局、相手方保険会社から治療費等の支払いを得るためには、相手方保険会社に診療情報を提供する必要が出てきます。

治療費を巡っては、保険会社とトラブルになることが多いので、何か困ったことがあれば弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。

症状固定となった後は病院に通っていいのか?

痛みや痺れが残存したまま症状固定となった場合、その後も病院に通うことはできます。

ただし、原則として症状固定日までに掛かった治療費が損害賠償の対象となるため、症状固定以降に病院に通ったとしても、その費用は賠償の対象とはなりません。

健康保険を使用すれば費用を抑えることができるため、一般的には、症状固定後は健康保険を使用して病院に通う方が多いです。

整骨院や接骨院については、症状固定後は交通事故としての治療を健康保険を使って受けることはできないため、自由診療となります。

後遺障害の申請をする場合には、症状固定後にも自己負担で医療機関に通っていることが、痛みや痺れが残存していることを立証するための一つの要素となります。

自己負担で医療機関に通っている場合には、その領収書はしっかり保管していただくことをお勧めします。

特に、打撲や捻挫といった他覚的所見のない怪我については、レントゲンやMRI画像に異常が写らないことがほとんどなので、症状固定後の医療機関の領収書はより大事となります。

適切な後遺障害の認定を受けるためには、事故に遭ってから早いタイミングで、弁護士などの専門家から通院するうえでの注意点を聞くことが大切です。

自賠責と労災の後遺障害認定基準は同じですか?

会社員が業務中、通勤中に交通事故に遭ってしまった場合には、加害者の加入する自賠責保険と労災保険のいずれにも後遺障害申請ができます。

自賠責保険の後遺障害等級は1から14級までありますが、これは労災の障害補償の後遺障害等級表に準じた内容となっているため、自賠責保険と労災保険の後遺障害の認定基準は、基本的には同じです。

 

しかし、実際に自賠責保険と労災保険のいずれにも後遺障害申請をすると、認定される等級が一致しないことや、一方が認定されたけれども他方が非該当になった、というケースがあります。

その理由はいくつかありますが、大きな理由として審査方法の違いがあります。

自賠責保険が基本的に書面審査なのに対して、労災保険は医師が面談して審査することになります。

このような審査方法の違いにより、認定結果に違いが出てくることも多いと考えられます。

業務中や通勤中の交通事故については、自賠責保険と労災保険が絡んでくるため、どちらを使用した方がより有利に進めることができるのか、判断に悩まれる方も多いかと思います。

このようなことでお困りの方は、早いタイミングで一度、弁護士などの専門家にご相談いただいた方が良いかもしれません。

被害者請求と加害者請求って何ですか?

自賠責保険に保険金の支払いを求める方法については、被害者請求と加害者請求の2つがあります。

被害者請求とは、交通事故の被害者が直接自賠責保険に支払いを求める方法です。

これに対して、加害者請求とは、交通事故の加害者側が自賠責保険に支払いを求める方法です。

加害者請求をするためには、加害者側は、被害者に治療費などの賠償金を支払う必要があります。

被害者に支払った後でないと、自賠責保険に支払いを求めることができないとされています。

加害者請求の具体例を挙げると、交通事故に遭った場合、通常、加害者の加入する任意保険会社が医療機関に直接治療費を支払ったり、被害者に休業損害を支払ったりしています。

その後、任意保険会社は、加害者の加入する自賠責保険に対し、治療費や休業損害などの支払いを求めます。

このように、加害者側が治療費等の支払いをした後に、自賠責保険にその分の支払いを求めることを、加害者請求といいます。

被害者請求と加害者請求のどちらが良いかどうかは、事案によって異なります。

被害者の過失割合がある程度大きいために、加害者側の任意保険会社が治療費の支払い等に応じないこともあります。

自賠責保険の仕組みについて、詳しく理解している方は少ないかと思いますので、何かお困りごとがございましたら、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

自分の入っている自賠責保険は使えるのか?

「自分が所有している車を友人が運転して、自分は助手席に座っているときに、友人が事故を起こしました。友人にも過失があるので、自分の自賠責保険に後遺障害申請はできますか?」という質問をいただくことがあります。

この場合、友人に過失があったとしても、ご自身の自賠責保険に後遺障害申請をすることができない可能性が高いです。

自賠責保険を使用するためには、申請する人が「他人」に該当する必要があります(自賠法3条)。

裁判所は、友人が自動車を運転し、所有者が同乗中に事故が起きたという事案において、特段の事情がない限り、所有者は友人との関係で他人性を主張できないと判断しました(最判昭和57年11月26日民集36巻11号2318頁)

そのため、上記質問のような場合、判例によれば他人性の要件を満たさないため、自賠責保険に後遺障害申請ができない可能性が高いです。

他人性の要件を満たすかどうか、明確には判断が付かないケースも多々あります。

自賠責保険が使えると思っていたけれども、後遺障害を申請するときに弁護士に相談したら、実は使えない可能性が高いと分かったとなると、適切な賠償がされないこともあります。

そのようなことがないよう、交通事故に遭ってしまったら、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

入院したのですが、個室使用料は請求できますか?

「交通事故によって入院を余儀なくされたのですが、個室使用料は請求できますか?」というご質問をいただくことがあります。

特に最近は、大部屋に入院すると新型コロナウイルスに感染するのが怖いので、個室に入院したい、というご相談をいただくことがあります。

 

裁判所は、個室を使用することの必要性がある場合には、個室使用料を賠償の対象と認めています。

大部屋に入院するのと個室に入院するのとで、治療効果に差がない場合には、あえて個室を使用する必要はないと判断する傾向にあります。

個室を使用した方が良い治療効果が期待できる場合や、個室を使用しないと症状が悪化するような場合には、個室使用料は賠償の対象となることが多いです。

入院した病院に空きのベッドがなく、個室にしか入院できなかったという場合にも、個室使用料は賠償の対象とされる傾向にあります。

また、新型コロナウイルスへの感染リスクを理由とした個室使用料の支払いが認められるかどうかについては、まだ裁判例が見当たらないので何とも言えないですが、おそらく単に怖いという理由だけでは認められず、大部屋に入院することで個室に入院するよりも感染リスクが増加することを具体的に立証できなければ、賠償の対象とはならないと思います。

 

個室使用料を巡っては保険会社とトラブルになることも多いため、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

 

 

一度後遺障害と認定されると,今後は後遺障害と認定されないのか?

交通事故の法律相談をしていると,たまに「以前,交通事故に遭って後遺障害が認定されているのですが,今回の事故では認定されないのですか?」という質問をいただくことがあります。

 

今回の事故で後遺障害が認定されるかどうかは,前回認定された部位と今回の部位が同一かどうか,によって変わります。

 

前回認定された部位と同一部位に症状が出た場合には,前回認定された障害を上回る障害が残存しなければ,後遺障害は認定されません。

例えば,前回の事故で腰部に後遺障害等級14級9号が認定された場合,今回の事故で腰部を痛めたとしても,14級9号は認定されません。

腰部を骨折するなどして,腰部に他覚的所見がある場合には,12級が認定される可能性はあります。

 

前回認定された部位と異なる部位に症状が出た場合には,通常どおり,後遺障害の認定がされることになります。

例えば,前回の事故で頚部を痛めて14級9号が認定され,今回の事故で腰部を痛めた場合には,腰部が14級9号と認定される可能性はあります。

 

後遺障害の認定においては,様々なルールがあるため,ルールを知らないまま認定を受けると,思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。

後遺障害認定申請をお考えの方は,一度,弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害の認定は誰がするのか?

交通事故に遭って通院治療を続けたけれども,痛み,痺れ,関節の可動域制限,変形などの症状が残ってしまう場合があります。

そのような症状が残存してしまった場合には,後遺障害と認定されて,より多くの賠償金が支払われることになります。

 

残存した症状が後遺障害に該当するかどうかは,まず自賠責保険が判断することになります。

正確には,損害保険料率算出機構という組織が調査をして,その調査結果に基づいて自賠責保険が等級の認定をします。

 

自賠責保険の認定した等級に不服がある場合には,自賠責保険に対して異議申立てという不服申立手続きをすることができます。

異議申し立ては,制度上,何回でも行うことができるとされています。

ただ,異議申立をしても時効は中断しないので,等級に納得がいかない場合でも,どこかのタイミングで訴訟提起をせざるを得なくなります。

 

異議申立てでも納得のいく等級が認定されなかった場合には,紛争処理機構に判断を委ねることもできます。

ただ,紛争処理機構への申し立ては1回しかできないので,その点には注意が必要です。

 

自賠責保険と紛争処理機構での判断に納得がいかない場合には,訴訟提起をして裁判所に判断を委ねることになります。

裁判所は,自賠責保険や紛争処理機構の判断には拘束されないため,独自に等級を認定することができます。

もっとも,実務上,裁判所は自賠責保険や紛争処理機構の判断を尊重する傾向にあります。

そのため,自賠責保険への後遺障害申請の段階から,弁護士に相談するなどして,しっかりと対策を立てることが大事です。

会社員の休業損害

事故によって会社を休んでしまったり,有給の取得を余儀なくされた場合,その分の休業損害の支払いを相手方保険会社に求めることができます。

そのような場合,通常,相手方保険会社から休業損害証明書が送られてくるため,それを会社に書いてもらい,相手方保険会社に郵送する必要があります。

相手方保険会社には,休業損害証明書と一緒に,事故前年分の源泉徴収票を提出する必要があります。

入社したばかりで事故前年分の源泉徴収票がない場合には,入社以降の賃金台帳の写しや,雇用契約書の写しを提出する必要があります。

必要書類を相手方保険会社に提出したら,不備がなければ,通常1週間程度で休業損害が支払われます。

 

ただ,休業損害は,休業の必要性が認められる期間に限って支払われるため,必ずしも休業した日すべての分が支払われるわけではありません。

例えば,事故によって4か月休業したけれども,相手方保険会社が「2か月しか休業の必要性は認めない」と主張して,残り2か月分の休業損害の支払いを拒否してくることもあります。

 

休業の必要性の認められる期間が争いになった場合には,主治医に意見書を書いてもらう,カルテを精査する等の方法により,休業の必要性があったと主張していくことが多いです。

 

休業損害はトラブルになりやすい項目なので,お困りの際は弁護士に相談することをお勧めします。

 

治療費の打ち切りと症状固定

交通事故に遭って数か月通院すると,相手方保険会社の担当から「もう治療費の支払いを打ち切るので,そろそろ症状固定にしてください」と言われることがあります。

 

そう言われると,症状固定にしなければならないと思ってしまう方も多いですが,治療費の支払いの打ち切りと症状固定は別物なので,治療費が打ち切られたとしても,必ずしも症状固定にしなければならないわけではありません。

 

治療費の支払いを打ち切るかどうかは,保険会社が判断するものです。

これに対して,症状固定かどうかは,最終的には裁判所が判断することにはなりますが,原則として主治医の判断が重視されます。

 

保険会社がもう治療の必要性はないと判断しても,裁判所や主治医がまだ治療は必要だと判断することがあるため,打ち切り日と症状固定日が異なることがあります。

 

治療費の支払いを打ち切るとの話が相手方保険会社から出ても,慌てずに,主治医に相談するのが良いでしょう。

 

もっとも,主治医への話の持って行き方によっては,通常よりも早く症状固定と主治医から判断されてしまうことがございます。

 

そのため,主治医とどのように話せばいいのか不安な方は,まずは弁護士などの専門家に相談してみるのが良いかと思います。

 

人身事故へは切り替えた方が良いのか

交通事故に遭ってお怪我を負ってしまったときに,加害者側から「物件事故扱いにしてほしい」と言われることがあります。

 

物件事故とは,警察内部の処理上,怪我人の発生していない事故のことをいいます。

なぜ加害者側が物件事故扱いにしてほしいとお願いするかというと,人身事故に切り替えると,加害者が刑事処分や行政処分を受ける可能性が出てくるためです。

 

交通事故によって人に怪我を負わせてしまった場合,加害者には自動車運転過失致傷罪が成立する可能性があります。

警察官,検察官による捜査の結果,加害者が起訴され,有罪となれば,罰金刑,懲役刑などの刑事処分が下ります。

 

また,人身事故に切り替えると,運転免許の点数が引かれ,免許停止や免許取消にまで至ることもあります。

仕事で車を使う方や,日常生活で車が不可欠な方にとっては,影響がとても大きいです。

 

そのため,加害者側からすれば,できれば人身事故への切り替えはしてほしくないと思っています。

 

しかしながら,人身事故に切り替えをしていないと,被害者側にはデメリットがあります。

 

例えば,後遺障害の申請をしたときに,自賠責調査事務所の審査担当者から「人身事故に切り替える程の事故ではない」と誤解され,本当は痛みが強いにもかかわらず,後遺障害が認定されにくくなるという危険性があります。

また,物件事故のままでは,警察官が実況見分調書を作成しないため,過失割合に争いがある場合に,客観的な証拠が乏しくなってしまいます。

 

そのため,このようなデメリットも踏まえて,人身事故に切り替えるかどうかをご判断いただくのが良いかと思います。

判断に迷ったときには,ぜひ一度,弁護士にご相談ください。

 

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治療費の支払いを打ち切られた後は,労災に切り替えられるか

仕事中や通勤中に交通事故に遭われたしまった場合には,相手方保険会社から治療費の支払いを打ち切られた後でも,労災に切り替えることはできます。

 

労災指定病院に通っている場合には,打ち切り以降の治療費は,労基署から病院に直接支払われるため,窓口での負担なく通院できます。

通っている病院が労災指定病院かどうかは,病院で尋ねるのが早いですが,労政労働省のホームページでも調べることができます。

労災に切り替える場合には,労災保険給付関係書類に記載等をしたうえ,その書類を病院に提出する必要があります。

 

労災に切り替える場合に注意したいのが,打ち切り以降の治療費を支払うかどうか,最終的に判断するのは労基署になることです。

 

労基署が打ち切り以降の通院治療は必要ないと判断すれば,労基署は病院に治療費を支払いません。

そうなると,労基署が支払わなかった分の治療費は,患者様ご自身が病院に支払わなければなりません。

 

そのため,打ち切り以降に労災に切り替えるかどうかは,主治医と良く相談のうえ,ご判断いただくのが良いと思います。

 

また,交通事故に精通した弁護士であれば,労基署がどのような要素をもとに治療の必要性・相当性を判断するのか,詳しく知っているかと思いますので,弁護士に相談するのも良いかと思います。

 

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後遺症と後遺障害はどう違うのか

一般的に,後遺症と後遺障害は同じような意味だと思われています。

しかし,後遺症と後遺障害には大きな違いがあります。

 

後遺症とは,入通院治療を続けたけれども,一定の症状が残ってしまうことを意味します。

医師が「首に後遺症が残ってしまいます」と言うときには,通常,この意味で用いられます。

 

これに対して,後遺障害とは,事故によって生じた後遺症のうち,自賠責保険制度や労災保険制度において保険金の支払対象として法令で定められてるものを意味します。

後遺障害の方が後遺症よりも狭い意味なので,後遺症が残ってしまったけれども,後遺障害には該当しないと判断されることがあります。

例えば,後遺障害等級14級9号が認定されるためには,常に痛みや痺れが残っていることが要件とされているので,「常に痛いというわけではないが,寒くなると首が痛む」という場合には,後遺障害等級14級9号には該当しません。

 

後遺症と後遺障害は別物だと認識していないと,後遺障害の申請書類に不備があっても,それに気付けない危険があります。

例えば,本当は膝が常に痛いにもかかわらず,後遺障害診断書の自覚症状の欄に「膝を曲げると痛い」と書いていると,それだけで常時痛ではないと判断され,膝の痛みが後遺障害に該当しないとされてしまいます。

 

そのため,後遺障害の申請については,弁護士に依頼することをお勧めします。

 

後遺障害等級14級9号の認定を受けるための注意点

前回ご説明したとおり,強い痛み,痺れが残ってしまった場合に,適切な賠償金を獲得するためには,自賠責保険から後遺障害認定を受けることが重要です。

 

14級9号の認定を受けるためには,以下の3つの注意点を守ることが特に大切です。

 

①早いタイミングでMRI画像の撮影をする

残存した症状に整合する画像所見があると,後遺障害が認定されやすいです。

例えば,腰部のMRI画像を撮影した結果,腰椎椎間板ヘルニアが見つかったとすると,その画像所見は,後遺障害の認定にプラスに働きます。

 

②整形外科にはしっかり通院する

事故当日に整形外科を受診しなかったり,整形外科の通院頻度が少ないと,症状が軽いと誤解され,後遺障害が認定されなくなります。

強い痛み,痺れがあるときには,我慢せず,しっかりと通院することが大切です。

 

③医師には症状をしっかり伝える

カルテに書かれたことは,有利にも不利にも,被害者の方にとって決定的な証拠になります。

例えば,事故当初から右肩が痛かったにもかかわらず,事故当日のカルテには右肩の記載がなく,事故から1か月後になって初めて右肩痛とカルテに記載された場合には,事故当初は右肩痛はなかったと判断されてしまいます。

そうすると,症状の一貫性がないとして,右肩の後遺障害は認定されないことになってしまいます。

 

特に大切な注意点は以上になりますが,気になる点があれば,早めに弁護士に相談することをお勧めします。

後遺障害等級14級9号が認定される場合の賠償金

交通事故に遭って頚椎捻挫,腰椎捻挫などの傷害を負い,通院治療を受けたけれども,痛みや痺れが残ってしまうことがあります。

そのようなときには,自賠責保険から後遺障害等級14級9号と認定される可能性があります。

 

後遺障害等級14級9号が認定されると,どのようなメリットがあるかというと,後遺障害慰謝料と逸失利益が相手方保険会社から通常支払われます。

 

14級9号が認定された場合の後遺障害慰謝料は,裁判基準(弁護士基準)では110万円です。

逸失利益は,事故前年の所得によって金額が変わるので一概には言えませんが,おおむね65万円から100万円になることが多いです。

 

後遺障害が認定されなければ,後遺障害慰謝料と逸失利益は通常支払われないため,後遺障害が認定されるか否かによって,相手方保険会社から支払われる賠償金は大きく変わってきます。

後遺障害が認定されなければ,いくら強い痛み,痺れが残っていたとしても,後遺障害慰謝料や逸失利益は支払われないことになってしまいます。

 

そのため,強い痛み,痺れが残ってしまった場合に,適切な賠償金を獲得するためには,後遺障害等級14級9号の認定を受けることが重要になります。

認定を受けるための注意点については,次回,ご説明いたします。

人身傷害保険の慰謝料

交通事故に遭って怪我をしたけれども,ご自身の過失が大きかったり,相手方が任意保険に加入していない等の場合には,ご自身の加入する人身傷害保険から慰謝料等をもらうことが多いです。

人身傷害保険の大きな特徴は,過失割合に関係なく,保険金が支払われることです。

例えば,交通事故に遭って100万円の損害が出てしまったけれども,ご自身の過失割合が6割あるという場合,損害のうち6割が過失相殺され,相手方の対人賠償保険からは40万円しか支払われないことになります。

しかし,人身傷害保険は過失割合に関係なく支払われるので,ご自身に過失があっても,過失相殺されることはありません。

人身傷害保険から支払われる慰謝料はどのように決まるのかというと,計算基準がご自身の保険会社の約款で決められているので,その基準に従って支払われることになります。

その基準は,いわゆる裁判基準よりも低く定められているため,人身傷害保険からもらえる慰謝料は,裁判基準よりも低額になります。

約款で支払い基準が定められている以上,ご自身の保険会社と交渉したとしても,その基準より多くの慰謝料をもらうことはできません。

もっとも,人身傷害保険はご自身の過失分から充当されるため,人身傷害保険から慰謝料等をもらった後に,事故の相手方に対して不足分の賠償金を請求できる可能性があります。

例えば,交通事故でご自身が被った損害が100万円あり,ご自身の過失が6割あるけれども,人身傷害保険から80万円もらったという場合,この80万円は6割の過失分から充当されるため,相手方には20万円を請求できることになります。

このように,ご自身の過失が大きい場合であっても,人身傷害保険を使用することによって損害のすべてが補償されることもあります。

人身傷害保険は分かりにくい保険なので,お困りごとがございましたら,弁護士に相談するのが良いと思います。

自営業者の休業損害

自営業者の方が事故に遭って仕事ができなくなり,収入が減少した場合,相手方保険会社から休業損害が支払われます。

 

1日当たりの休業損害をどのように計算するのかというと,通常,事故前年の確定申告書に記載された所得に固定費を加えた金額÷365によって算出します。

例えば,事故前年の所得300万円+固定費65万円であれば,1日当たりの休業損害は1万円となります。

年毎の収入に大きな差がある場合には,数年分の平均年収をもとに計算することもあります。

 

自営業者の中には,実際の所得よりも確定申告書上の所得の方が少ないというケースも多いです。

そのようなケースでは,実際の所得が公的な記録に残らないため,領収書などを集めて実際の所得を証明しなければなりません。

しかし,確定申告の内容は正確であることが前提とされるため,示談交渉の段階で,実際の所得は確定申告書上の所得よりも多いと主張したとしても,相手方保険会社が実際の所得を認めることは少ないです。

裁判をしたとしても,裁判官が確定申告外の所得を認めることは少ないです。

 

正確な金額で確定申告をしていないと,交通事故に遭ったときに不利益を受ける可能性があるため,注意が必要です。

確定申告外の所得を巡っては,争いになることも多いので,弁護士に相談することをお勧めします。

交通事故で弁護士に相談するタイミング

交通事故に遭ってしまった場合,弁護士には出来る限り早いタイミングで相談することをおすすめします。

 

その理由は2つあります。

1つ目は,病院で十分な検査がされないことがあることです。

病院での検査の有無,検査結果は,後遺障害の認定結果に重大な影響を与えます。

しかし,医師の中には,一部ではありますが,患者の話をしっかり聞かず,十分な検査をしない医師もいます。

治療を終了した後では,検査を受けても手遅れになることが多いです。

弁護士に早いタイミングで相談することにより,どのような検査を受けた方が良いのか,アドバイスを受けることができます。

 

2つ目は,不適切な後遺障害診断書が作成される可能性があることです。

患者と医師とのコミュニケーションが不十分であるために,不適切な内容の後遺障害診断書が作成されることもあります。

被害者の方は不適切な内容かどうか分からないことも多いため,そのまま後遺障害の申請をしてしまい,適切な後遺障害認定を受けられないことになります。

早いタイミングで弁護士に相談することにより,不適切な内容の後遺障害診断書が作成されにくくなります。

 

以上の2つの理由から,交通事故に遭ってしまった場合,弁護士には出来る限り早いタイミングで相談することをおすすめします。

弁護士費用特約が利用できる範囲

弁護士費用特約とは,任意保険に付加して加入する特約のことで,交通事故の被害者が加害者に対して損害賠償請求をするときに掛かる弁護士費用,実費,法律相談料等を保険会社が負担するものをいいます。

弁護士費用特約を使うことによって,多くの場合で被害者の方の負担する弁護士費用等はゼロになります。

 

また,弁護士費用特約は,自動車保険に付いているだけでなく,火災保険,生命保険等にも付いていることがあります。

火災保険,生命保険等に付いている弁護士費用特約も,交通事故に関して使うことができます。

 

弁護士費用特約が利用できる人の範囲は,一般的には,①記名被保険者,②被保険者の配偶者,③被保険者または配偶者の同居親族,④被保険者または配偶者の未婚の子,⑤被保険自動車の搭乗者,⑥被保険自動車の所有者です。

もっとも,弁護士費用特約の内容は保険会社ごとに異なるため,弁護士費用特約を利用できるかどうかは,保険会社に問い合わせて確認するのが良いでしょう。

 

ほとんどの事故で弁護士費用特約を利用することはできますが,一部,弁護士費用特約を利用できない場合もあります。

そのような場合は保険会社ごとに異なりますが,一般的には,飲酒運転・薬物を使用した状態での運転等によって事故に遭った場合,飲酒運転によって事故に遭った場合,無免許運転で事故に遭った場合,天災により事故に遭った場合,戦争・革命・暴動により事故に遭った場合は,弁護士費用特約は利用できないとされています。

 

交通事故でお困りの方は,ぜひ一度,弁護士法人心までご相談ください。

弁護士費用の決め方

弁護士費用には,大きく分けて着手金,報酬金,実費があります。

着手金とは,弁護士が依頼を受けた事件の処理に着手したときに支払うお金のことをいいます。着手金は,事件処理の成功,不成功にかかわらず支払うものであり,結論が依頼者にとって望ましいものでなかった場合にも返金されません。

報酬金とは,依頼の目的を達したときに支払うお金のことをいいます。事件の相手方から賠償金を得た場合等に,その獲得金額に応じて支払うことが多いです。報酬金は,得られた成果が大きければ多くなり,成果が小さければ少なくなります。

実費とは,コピー代金,交通費,郵便切手の代金等の事件処理のために実際に掛かった経費のことをいいます。

 

弁護士費用については,2004年4月1日までは,旧日本弁護士連合会報酬等基準に基づいて決められていました。

しかし,同日以降は,その基準が廃止され,依頼者と弁護士との間で弁護士報酬を自由に決めることができるようになりました。

もっとも,現在でも,旧日本弁護士連合会報酬基準を目安に弁護士費用を決めることは多いのが実情です。

 

弁護士費用は事件の難易度等によっても異なり得るので,費用の詳細は,依頼しようとする弁護士に直接確認するのが良いかと思います。