会社役員ですが、休業損害は支払われますか?

ご相談者様から「会社役員ですが、事故によって仕事を休んでいます。休業損害は支払われますか?」という質問をいただくことがあります。

結論として、会社役員の場合、休業損害が認められないことが多いですが、そうでないことも少なからずあります。

休業損害が認められるためには、事故によって収入が減少したことが必要です。

事業年度の途中で役員報酬を減額すると、税法上不利になる可能性があるため、なかなか減額できないことも多いです。

そうすると、収入が減少していないことを理由に、休業損害が認められません。

もっとも、会社としては、役員が仕事に出れない間も、役員報酬を支払わなければならないため、会社に損害が生じています。

小規模な会社であれば、役員の休業中、余計な外注費を支払わなければならないこともあります。

このような会社に生じた損害(間接損害といいます)については、原則、賠償の対象とはされていません。

ただし、判例によれば、①会社代表者に実権が集中しており、②代表者に代替性がなく、③代表者と会社が経済的に一体である場合には、会社に生じた損害も賠償の対象と認めています(最判43年11月15日・民集22巻12号2614頁)。

この判例によれば、かなり限定的にはなりますが、会社に生じた損害も賠償される余地があります。

交通事故でお困りの方は、一度、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。