昨日,離婚後の親権について,最高裁が興味深い決定を出しました。
事案は,父母は別居しており,9歳の娘は母親と同居していたが,
父親が娘との面会を希望しても母親がほぼ応じていなかった,というものです。
第一審は,
「年間100日は母親と面会させる」という父親の主張を重視し,
父親を親権者にするとの判決を出しました。
この判決は,面会交流により寛容な親が親権者として適しているという,
いわゆるフレンドリーペアレントルールを重視したものでした。
フレンドリーペアレントルールを重視して父親を親権者とした判決は異例であったため,
この判決は注目されました。
しかし,第二審の東京高裁は,面会交流の意向を過度に重視すべきでないとして,
第一審判決を覆し,母親を親権者としました。
そこで,父親が最高裁に上告していたのですが,
最高裁は,父親の上告を棄却する決定を出しました。
東京高裁と最高裁の判断は,
フレンドリーペアレントルールを重視した第一審判決と異なり,
従来の裁判所の考え方を踏襲したものでした。
親権者を父母のどちらに定めるかどうかは,
どのような事情を重視するかによって結論が変わり得ます。
離婚後の親権についてお悩みの方は,
離婚に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。