盗難車による交通事故①

運転中に追突されて車両が壊れ,怪我を負ってしまったけれども,加害車両が盗難車であったという場合,盗難車の保険によって補償はされるのでしょうか。

 

被害者の立場からすれば,自分に過失は全くないのだから,補償されて当然だと考えると思います。

 

しかしながら,加害車両が盗難車であった場合には,その自賠責保険,任意保険による補償はされないことになっています。

 

自賠責保険は,車両の所有者や,車両を使用する正当な権利を有する者以外が起こした事故では,使えないとされています。

盗難者は当然ながら所有者ではありませんし,車両を使用する正当な権利も有していません。

 

また,任意保険は,車両の所有者が法律上の賠償責任を負う場合に限って使用できる,とされています。

車両を盗まれた方は,車両の管理がよっぽどずさんでない限り,賠償責任を負いません。

事案にもよりますが,弁護士に依頼して裁判を起こしても,賠償責任を負わせることは難しいことが多いです。

 

車両を盗まれた方もある意味被害者なので,盗難車が事故を起こしたような場合には,その自賠責保険や任意保険は使えないという仕組みになっています。

 

それでは,被害者は泣き寝入りするしかないのでしょうか。

対処方法は次回ご説明します。