養育費の算定表(その1)

夫婦が離婚した場合,通常,子どもの親権者が,他方の親に対して,監護費用の分担として,養育費の支払いを求めることになります。

具体的な養育費の額は,算定方式及び算定表によって標準化されています。
養育費の算定表は,東京家庭裁判所のウェブサイトで公表されています。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

例えば,17歳と13歳の子どもがいる場合,養育費の算定表の「表4 養育費・子2人表(第1子15~19歳,第2子0~14歳)」を参照します。
権利者の年収が1000万円,義務者の年収がゼロであれば,養育費は,16~18万円の範囲となります。
子の指数は0~14歳の場合は55,15~19歳の場合は90ですから,例えば,子ども2人の養育費が17万円とされた場合,
第1子の養育費=17万円×90÷(90+55),
第2子の養育費=17万円×55÷(90+55),となります。

ところで,算定表を用いるにあたって,まず,養育費の分担を請求できる権利者と,分担を求められる義務者の年収を確定する必要があります。
権利者と義務者の年収の求め方は,次のとおりです(算定表より抜粋して引用)。

①給与所得者の場合
源泉徴収票の「支払金額」(控除されていない金額)が年収に当たります。
なお,給与明細書による場合には,それが月額にすぎず,歩合給が多い場合などにはその変動が大きく,賞与・一時金が含まれていないことに留意する必要があります。
他に確定申告していない収入がある場合には,その収入額を支払金額に加算して給与所得として計算してください.

②自営業者の場合
確定申告書の「課税される所得金額」が年収に当たります。
なお,「課税される所得金額」は,税法上,種々の観点から控除がされた結果であり,実際に支出されていない費用(例えば,基礎控除,青色申告控除,支払がされていない専従者給与など)を「課税される所得金額」に加算して年収を定めることになります。

「なお」書きからも分かるとおり,源泉徴収票の「支払金額」や確定申告書の「課税される所得金額」を年収とされるのでは,実態に合わないとして,法律相談にこられるケースが少なくありません。
調停や裁判では個別の事情が考慮されることもありますから,当事者双方で折合いがつかない場合,弁護士に相談してみてはいかがでしょう。

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