人身傷害保険(補償の範囲)

人身傷害保険とは,一般的に,自動車事故等で死傷しり,後遺障害が残った場合に,負傷した方やそのご家族等が,治療費,通院交通費,休業損害,逸失利益,精神的損害等,実際に生じた損害を填補するため,過失割合にかかわらず,約款の人身傷害条項の基準によって算出された損害額相当の保険金の支払いを受けることができる保険をいいます。

人身傷害保険金が支払われる被保険者(補償の対象となる人)は,保険会社によって異なりますが,多くの場合,次のとおり,広範囲に及びます。

1 記名被保険者

2 記名被保険者の配偶者

3 記名被保険者またはその配偶者の同居の親族(同一家屋に居住する6親等内の血族,配偶者,及び3親等内の姻族)

4 記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子

5 契約中の自動車に搭乗中の人

6 その他,特約を付けることによって,契約の自動車以外の自動車に搭乗中の事故,歩行中や自転車運転中に自動車と接触した事故によって死傷した場合も補償の対象となる保険もあります。

 

人身傷害保険は,自動車保険に自動的にセットされているケースも多く,①事故の相手に過失がない場合,②死傷した被害者にも過失がある場合,③事故の相手が任意保険に入っていない場合等には,人身傷害保険の利用を検討することになります。

他方,事故の相手に対する損害賠償請求権と人身傷害保険に基づく保険金請求権が競合する場合は,両者の関係が問題となるため,弁護士にご相談ください。