学生・幼児等の後遺障害による逸失利益

後遺障害による逸失利益とは、交通事故の被害者に後遺障害が残った場合、後遺障害が残ったために、将来、得られるはずであった収入等の利益を失ったことによって発生する損害のことです。

後遺障害による逸失利益は、次の計算式によって算出されます。
逸失利益=基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

基礎収入は、原則として、交通事故当時の現実の収入を基準とします。
給与所得者であれば事故の前年度の源泉徴収票等、自営業者であれば事故の前年度の確定申告書や課税証明書等によって証明可能です。
他方、事故時に無職で収入がない被害者は、原則として、逸失利益がないことになります。

しかし、例えば、学生や幼児のような年少者は、通常、事故時に無職ですが、年少者は、将来、さまざまな職から何らかの職を選択して就労する蓋然性が高いと考えられます。

そこで、年少者は、原則として、賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計・全年齢平均の賃金額を基礎として、逸失利益が認められます。

賃金センサスとは、厚生労働省による職種別・年齢別等の賃金に関する統計である「賃金構造基本統計調査」のことです。

ただし、例えば、大学進学が予定されていた高校生の被害者について、学歴計ではなく大学卒の賃金センサスが採用される等して、より高い逸失利益が認められるケースもあります。

被害者ごとの個別具体的な事情を考慮して、適切な逸失利益を獲得するために、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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