司法試験制度

令和7年の司法試験が、7月16日・17日・19日・20日に実施されました。
法曹(裁判官・検察官・弁護士)になるためには、司法試験に合格する必要があります。
司法試験の制度(法曹養成制度)は、時代の流れとともに少しずつ変化しています。

平成16年4月に法科大学院制度がスタートしたとき、司法試験を受験するためには、法科大学院過程を修了するか、司法試験予備試験に合格することが必要でした。
司法試験予備試験は、法科大学院を経由しない人も法曹資格を取得する途を開くために設けられた試験です。
司法試験予備試験の受験資格や受験期間の制限はなく、令和6年の司法試験合格者の最低年齢は 17 歳でした。

令和2年4月から、法曹コースという新しい制度がスタートしました。
法曹コースとは、大学の学部段階から法曹になるための教育を受けることができるコース(課程)で、大学の学部を3年で早期卒業して、通常よりも1年早く法科大学院に進学することを可能とする制度です。

令和5年の司法試験から、法曹資格取得までの時間的・経済的負担を軽減する方策として、司法試験の受験資格に在学中受験資格が追加されました。
法科大学院在学中であっても、所定科目単位を修得していること等一定の要件を満たせば、司法試験を受験できることになりました。

そして、令和8年の司法試験と司法試験予備試験は、CBT方式(PCによる答案作成)が導入されます。
今後、司法試験受験生は、CBT方式に対応するためのトレーニングも必要になると思われます。

オーケストラと騒音性難聴

暑いです。
環境省と気象庁は、今日も17の地域に熱中症警戒アラートを発表し、東京も連日30度を超え、東京都心の6月の真夏日の日数は、統計を取り始めてから最多を更新したそうです。

さて、姪が所属する大学オーケストラの演奏会に行ってきました。
アマチュアといっても立派なホールで迫力のある生音に包まれると、脳に心地よい刺激を受けます。
学生オケならではの時に不揃いな感じもまた楽しく、ふと、弦、木管、金管、打楽器等の音の大きさはどのくらいかと気になりました。

ネットで検索してみると、統一見解がみあたりませんでしたが、おおよその最大音量は、チェロやバイオリン87~90㏈、フルートやクラリネット90~98㏈、ピアノ90~107dB、トロンボーン、ホルン、トランペット106~108㏈、パーカッション110dB、といったところでしょうか。
前回のブログで紹介した日常生活音と比較すると、かなり大きいことが分かります。

オーケストラの団員や演奏家は、職業柄、長時間大きな音に接することにより騒音性難聴になるリスクが指摘されているようです。
騒音性難聴とは、大きな音に長期間さらされて徐々に進行する難聴です。
騒音性難聴は、「著しい騒音にばく露される業務に長期間引続き従事した後に発生したもの」等の要件を満たす場合、労災の対象となり得る業務上疾病に挙げられています(労働基準法施行規則別表第1の2第2号11)。
労災の騒音性難聴の認定基準によると、「著しい騒音を発する場所」とは、①作業者の耳の位置における騒音がおおむね85dB(A)以上である業務をいい、②「長期間」とは、おおむね5年又はこれを超える期間をいいます。
騒音性難聴というと、工事現場で削岩機、エンジンカッター等の手持動力工具を扱う作業が思い浮かびますが、85dBが基準値とされていることからすると、心地よい楽器の音も、f、ff、fff等、強い音が連続すると騒音に当たるのですね。