高次脳機能障害の後遺障害等級

交通事故の被害者に脳外傷による高次脳機能障害が残存した場合、自賠責保険に対して後遺障害の申請をして後遺障害等級が認定されると、一定の保険金(賠償金)が支払われます。

高次脳機能障害の後遺障害等級の内容とその保険金額は、次のとおり、自動車損害賠償保障法施行令2条の別表第一と別表第二に定められています。

 

等級

後遺障害

保険金額

(別表第一)

1級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの

4,000万円

(別表第一)

2級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの

3,000万円

(別表第二)

3級3号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの

2,029万円

(別表第二)

5級2号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

1,574万円

(別表第二)

7級4号

神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの

1,051万円

(別表第二)

9級10号

神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

616万円

 

高次脳機能障害の後遺障害の内容は、抽象的で曖昧なので、被害者の障害が1級から9級のどの等級に該当するかの判断は、しばしば困難を伴います。

被害者の症状により仕事や日常生活に支障をきたす程度に応じて等級が左右されますから、後遺障害の申請書類の記載には十分に注意しなければなりません。

適切な等級が認定されるためには、高次脳機能障害に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。