弁護士法人心 東京法律事務所に所属しております,弁護士の田中と申します。
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オーケストラと騒音性難聴
暑いです。
環境省と気象庁は、今日も17の地域に熱中症警戒アラートを発表し、東京も連日30度を超え、東京都心の6月の真夏日の日数は、統計を取り始めてから最多を更新したそうです。
さて、姪が所属する大学オーケストラの演奏会に行ってきました。
アマチュアといっても立派なホールで迫力のある生音に包まれると、脳に心地よい刺激を受けます。
学生オケならではの時に不揃いな感じもまた楽しく、ふと、弦、木管、金管、打楽器等の音の大きさはどのくらいかと気になりました。
ネットで検索してみると、統一見解がみあたりませんでしたが、おおよその最大音量は、チェロやバイオリン87~90㏈、フルートやクラリネット90~98㏈、ピアノ90~107dB、トロンボーン、ホルン、トランペット106~108㏈、パーカッション110dB、といったところでしょうか。
前回のブログで紹介した日常生活音と比較すると、かなり大きいことが分かります。
オーケストラの団員や演奏家は、職業柄、長時間大きな音に接することにより騒音性難聴になるリスクが指摘されているようです。
騒音性難聴とは、大きな音に長期間さらされて徐々に進行する難聴です。
騒音性難聴は、「著しい騒音にばく露される業務に長期間引続き従事した後に発生したもの」等の要件を満たす場合、労災の対象となり得る業務上疾病に挙げられています(労働基準法施行規則別表第1の2第2号11)。
労災の騒音性難聴の認定基準によると、「著しい騒音を発する場所」とは、①作業者の耳の位置における騒音がおおむね85dB(A)以上である業務をいい、②「長期間」とは、おおむね5年又はこれを超える期間をいいます。
騒音性難聴というと、工事現場で削岩機、エンジンカッター等の手持動力工具を扱う作業が思い浮かびますが、85dBが基準値とされていることからすると、心地よい楽器の音も、f、ff、fff等、強い音が連続すると騒音に当たるのですね。